九州防災エキスパート会への支援
九州防災エキスパート会は、九州地方整備局OBで組織している災害支援のボランティア団体です。
これまで培ってきた防災の知識・技術を生かし、災害時には現場に出動して復旧工法の指導等を行うとともに、平常時には、各事務所が実施している出水期前の点検・訓練等の活動に同行して助言などを行ったり、防災担当者や水防団などを対象とした水防工法の指導などを実施しています。
令和4年度は新たに32名の会員が加わり、令和5年3月末現在の会員数は439名となっています。
1.台風14号に伴う活動
台風14号が9月18日(日)19時頃、935hPa(観測史上4位)で鹿児島市に上陸し、九州を縦断しました。
この台風により、宮崎県美郷町で総雨量985mm、大分県佐伯市で最大瞬間風速50.4m/sを記録しました。
①緑川ダム管理支援
強い台風14号の接近により、18日早朝から緑川ダム管理所に出動し、予測降雨に基づき、随時様々な降雨予測パターンに基づく流入量計算を行い、緊急放流の可能性を検討し、19日10時まで、必要に応じて操作に関する助言を行いました。
なお、事前放流により、ダム水位を低下させて洪水に備えていたため、緊急放流に至らず支援を終えることができました。
②大分R210号(赤岩地区)安全点検
台風14号により、日田市天瀬町赤岩地区(令和2年7月災害時に設定した事前通行規制区間)において警戒水位を超えたため、9月19日13時より通行規制の解除に向けた安全点検を実施し、15時に交通開放を行いました。
安全点検状況(災害復旧対策委員会)
2.平常時の活動
①緊急対策シミュレーション(河川系事務所)
堤防決壊時の緊急対策シミュレーションは、一般的には、洪水又は地震を対象に事務所内で実施しています。
今回、筑後川では、7箇所の各出張所において、氾濫区域等の情報確認の他、復旧工法、備蓄資材、主要機材、搬入路、地元対応の確認等を実施し、出張所の役割も再認識できた有効な訓練でした。
☆R4実施事務所=(筑後川、武雄、長崎、大分、宮崎、延岡、大隅)
②法面点検等の防災点検(道路系事務所)
道路事務所では、梅雨期前において、道路面の洗掘箇所とともに、法面不安定や排水不良の箇所、対策工周辺の状況確認等の防災点検を行いました。
☆R4実施事務所=(北九州国道、佐賀国道、熊本、大分、延岡)
③大分川・大野川総合水防演習
九州各県持ち回り総合水防演習が大分川で実施され、九州防災エキスパート会大分支部10名が参加し、消防団等に対して、月の輪工法やシート張工法等の指導を行いました。